今日は、相続における「寄与分」と「特別寄与料」について、わかりやすく解説します。
自分の子どもよりも、お嫁さんや孫が自分の世話を積極的にしてくれている場合、どうにか気持ちを形に残したいと考えることは珍しい事ではありません。
特に介護の場合は、時間を拘束し体力も消費させてしまうため精神的負担は計り知れません。
一番自分によくしてくれた人が報われるために、出来ることは無いか終活を通して考えてみましょう。
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寄与分とは何か
寄与分とは、被相続人の生前に相続人が貢献したことによって被相続人の財産が増加した場合、その貢献に応じて相続分以上の取り分を受けることができる制度です。
これは、相続人が被相続人の介護や事業の手伝いなど、具体的な貢献をした証として認められるものです。
寄与分が認められる要件
寄与分が認められるためには、以下の5つの要件が必要です。
- 被相続人の財産の維持または増加に寄与したこと
- 貢献の内容が具体的であること
- 貢献が無償であったこと
- 他の相続人との公平を保つために必要であること
- 寄与の事実が明確であること
これらの要件を満たす場合、時効の制限なく寄与分を請求することができます。
特別寄与料とは
特別寄与料は、相続人だけでなく親族であれば誰でも請求できる制度です。
これは、2019年の民法改正によって導入されました。
特別寄与料は、被相続人の看護や介護など、特別な貢献をした人が相続分以上の報酬を受けることができるものです。
特別寄与料の具体的な例としては、以下のようなケースがあります。
- 長男の妻が被相続人の介護をしていた場合
長男の妻は、法律上の相続人ではありませんが、被相続人の1親等の姻族にあたります。
この場合、長男の妻が無償で被相続人の介護を行い、その結果として被相続人の財産の維持に寄与したと認められれば、相続人に特別寄与料を請求することができます。 - 姪が被相続人の介護をしていた場合
被相続人に子がいる場合、その姪は法律上の相続人ではありませんが、3親等の血族にあたります。
姪が無償で被相続人の介護を行い、財産の維持に寄与したと認められる場合、特別寄与料を請求できます。
特別寄与料の計算方法には、療養看護型と家業従事型の2つのパターンがあります。
療養看護型は、被相続人の介護をした場合の計算で、介護ヘルパーの外注費用を基に算出されます。
家業従事型は、被相続人の事業に従事した場合の計算で、通常得られたであろう給与額を基に算出されます。
特別寄与料の請求には期限があり、原則として相続発生後6ヶ月以内に行う必要があります。
請求方法は、相続人に直接交渉するか、家庭裁判所に申立てを行うことになります。
まとめ
相続における寄与分と特別寄与料は、被相続人への貢献を正当に評価するための重要な制度です。
これらを理解し、適切に活用することで、公平な相続が実現されます。
終活を通じて、自分らしく生きるためにも、そして残される人のためにも、後悔のない準備をしましょう。
皆様の終活が、より豊かで意義深いものとなるよう、私たちはサポートいたします。
一緒に楽しく終活を進めていきましょう。
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